千夜桜設立までのあらまし
「桜は散り際こそ美しい」
たまにそんな言説を耳にします。
もちろん、それを否定しようとは思いません……が、昨今のそれは、過去のそれとは全く違った使われ方をしているように感じます。
侘び寂び、美人薄命、そう表現されるものが持つもの悲しさ、哀愁が転じて儚さ、美しさを思わせる。
そんな風に言われていたものが、今ではもの悲しさそのものが趣あるテクストとして扱われているのではないか、そんな印象を私たちは覚えました。
散りゆくもの、滅びゆくもの。
そういった無常観が当然の如く好意的に扱われる状況をよく思わなかった私たちは桜を桜たらしめる、咲き誇る美しさの記憶、
枯れない桜を永遠の象徴として、千の夜を越しても思い続けられるよう、2021年に桜菓子専門店『千夜桜』を設立いたしました。
誰しもの記憶にそびえる夢の如き美しさ、その一端を是非ともお召し上がりください